日本の紅茶|外国紅茶輸入と国産紅茶

日本の紅茶 外国紅茶輸入と国産紅茶 tea

日本と英国との関係が活発だった時代は明治時代でしょう。

時代背景としては、日清戦争、日露戦争に勝利したことにより、少なからず高揚感のようなものがあったのではないでしょうか。

日英同盟があったくらいですからね。

外国紅茶の輸入

1887年、外交舞台として首都に鹿鳴館(ろくめいかん)が建てられました。これは欧米の文化や文明を吸収しようというところからです。

リプトンの輸入

外交舞台である鹿鳴館を設置したこの年、外国産の紅茶が80kg輸入されたという記録だけが残っているものの、産地やブレンド、価格、品質については残念ながら不明です。

JIKUTA
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紅茶をだれが飲んだのかというところも詳細は不明ですが、外交関係の接待や、外国人が利用するレストランやホテルで飲まれたのではないかといったことがうかがえます。

日清・日露戦争の勝利、日英同盟など、友好関係が結ばれていた中で、英国製品もいろいろと紹介されていきます。

そのような中、1906年、ヴィクトリア女王逝去の後の英国は、エドワード7世の時代、国際的な経済の影響力は最強でした。

もちろん紅茶における経済力も絶大な影響なもので、自らセイロン島にでかけて大規模な茶園を買収し、直接経営もし、セイロン産高級紅茶を英国市場で安価に宣伝販売したのが、リプトン紅茶の創設者であるトーマス・J・リプトン卿です。

日本の紅茶 外国紅茶輸入と国産紅茶

北米、オーストラリア、ニュージーランド、カナダといった英連邦諸外国以外にも大々的な宣伝販売を進めていました。

そのリプトン紅茶を、日本で初めてロンドンから正規のルートで輸入、卸売りを始めたのが明治屋でした。

輸入されたのは、リプトン紅茶・黄缶ナンバー・ワン、1907年のことで、明治屋の広報誌には、紅茶を楽しむ広告が大々的に掲載されました。

しかしながら、実際に飲むことができた、飲んでいたのは、皇室関係者、外交官といった人たちや、エリート官僚、商社や銀行、運輸関係といった、いわゆるハイカラ好みの限られた人たちだったといわれています。

いくら時代的にハイカラで、外国の文化を取り入れようとしていたとしても、庶民的感覚からすれば、白砂糖、ミルク、ビスケットは貴重なものです。現代のように簡単に手に入れられるものではありませんでした。

国産紅茶

国産紅茶が成功しなかったことは以前触れましたが、1886年から1903年まで、およそ70~80tの生産があったものの、安定的な増産とまではいきませんでした。

断念はしない

しかし、1930年ごろにようやく希望が見えだしました。

1917年に、国産紅茶製造の目的により日本紅茶株式会社が設立されます。

日本における茶業界の重鎮だった大谷嘉兵衛(おおたに かへえ)と中村円一郎(なかむら えんいちろう)を中心に、紅茶製造伝習に勤めました。

1929年には、ロシア(当時ソ連)から製茶検査官のシェーニングを招き、インド・セイロン式の紅茶製造方法を学習しました。

そして1935年、2200tを超える紅茶の輸出を達成します。

当時の世界的な紅茶供給過剰が数年続いたことにより、茶相場が下がり、インド・セイロン・インドネシアの主要3か国が協定を結び、生産及び輸出を制限したことや、世界市場において需要が好転していた結果といわれています。

日本で市販されていた紅茶

日本の紅茶 外国紅茶輸入と国産紅茶

一方で、日清戦争後に統治下でもあった台湾で、日本政府は茶樹栽培試験場を設置し、1923年から紅茶の生産研究を始めています。

このことから、1898年から三井合名会社が、民間ベースで台北の後背地に大規模な茶園を作り、台湾ウーロン茶(半発酵茶)の生産を手掛けていましたが、1924年からは台湾紅茶の生産に転換しています。

1927年、国産銘柄包装紅茶第1号となる三井紅茶が誕生します。

1930年に日東紅茶に改名され、東京日本橋「三越百貨店」の店頭で販売されるようになりました。

外国産銘柄紅茶の輸入が禁止されていた1938年まで、市販されていた紅茶は次のものがあります。

外国のものだと、リプトン、ブルック・ボンド、国内であれば日東、ニッポン(後のヒノマル・セイロン)、森永、明治、トリス(寿屋・サントリー)などでした。

ほかにも雪印、ベル(カネボウ)、マダム(野崎産業)、キー(木村コーヒー)、三共(三共製薬)、フラワー(明治屋)、ミカド(松下鈴木商店)などがありました。

JIKUTA
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日東紅茶は老舗の国産紅茶メーカーですね。
今でも見聞きするメーカーが多いですが、国内消費としては800tあまりであり、1937年における輸出量6445tから考えれば少なかったという結果です。

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