英国紅茶のはじまり|階級と喫茶

英国紅茶のはじまり 階級と喫茶 tea

英国といえば紅茶ですが、その紅茶を嗜んでいたのはいわゆる貴族などの階級が上の人たちというイメージがあります。

まぁイメージ通りではあるんですが、経緯や成り行きを少しばかり確認しておきましょう。

中産階級の喫茶

喫茶の定着について

コメ、ジャガイモ、チョコレート、砂糖、コーヒーといったいものが、ヨーロッパに次々と紹介されはじめたのは、16世紀にインド洋航路が発見されてからになり、もちろんもそうです。

いわゆる嗜好品はぜいたく品とも言え、当時は階級が上の方の身分でなければ味わえないものだったのかなぁという感じですが、17世紀初頭の英国で、国王のジェームス一世がぜいたく禁止令を廃止し、どのような身分であってもぜいたくできる権利が得られました。

と言っても、ぜいたくできる余裕があればの話で、結果的には余裕がある人が上流階級の人という認識になりました。

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この時代は、大英帝国のまさにイケイケな時期ですね。

18世紀半ば以降には産業革命があり、ここで中産階級が大量に生まれ、上流階級の喫茶(の習慣)が次第に整っていきました。

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茶の消費が増えるのと比例し、まがい物の茶や密輸入も横行したそうですが、英国議会による税金削減などの措置もあり、茶の価格も下がり、輸入量も増えていきました。

茶以外の成功

英国紅茶のはじまり 階級と喫茶

喫茶の習慣を整える一方、英国は西インド諸島における砂糖のプランテーションに成功していました。

砂糖は銀と同じ価値が認められていたぜいたく品で、供給量がふえたことにより、価格が安くなり、卸・小売業者に多くの利益をもたらしました。

また、国内においては、陶磁器、金属食器の産業が栄え、純国産の陶磁器、銀製品が量産されて、中産階級にまで普及していったようです。

19世紀後半からはインドやセイロン(現スリランカ)で紅茶のプランテーションに成功し、いわば中国茶依存から脱しました。

中国茶を運ぶ専用の船(チャイナ・ティー・クリッパー)に替わり、英国の造船業が発展、世界の7つの海を制覇する海運大国「大英帝国」になりました。

上流階級の喫茶

初期の喫茶習慣

17世紀に入り、茶はオランダから英国に売りこまれたとされていますが、当時の英国は清教徒革命(ピューリタン革命: イングランド・スコットランド・アイルランド の内戦)によって、国王のチャールズ一世の処刑などで、王侯貴族階級者たちの娯楽や賭け事は禁止されていました。オランダやフランスへ亡命したものもいたくらいなので、相当な動乱期だったともいえるのではないでしょうか。

生活の重きは社交ではなく家庭となり、唯一の楽しみになっていったのが、家庭における喫煙、喫茶を他者の真似をして試すというほどのものでした。

裕福な貴婦人たちは、豪華なベッドルームに訪問者を招き、見せびらかすということが流行っていたのだそうです。

見せびらかす、というのが当時のステータスで、要は暇つぶしのための見栄の張り合いです。

それとは別に、コーヒーハウスの誕生もあり、様々な動乱を終え、解放された人々によって支持されました。貴族などの上流階級者たちの流行社会の拠点にもなり、繁栄しました。

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コーヒーハウスは、コーヒーだけを扱っていたわけではなく、チョコレートや茶も扱っていましたが、女人禁制の男性だけの暇つぶしの社交場でした。しかし、薬や砂糖も売られるようになり次第に上流婦人にも広がり、家庭でも喫茶が始められるようになりました。

王妃ブラガンサ「キャサリン」

ポルトガルにはブラガンサ王家があり、古くから中国との友好関係で喫茶の習慣も定着していました。

ブラガンサのキャサリン妃は、英国王に嫁いだものの、放蕩三昧の国王に軽視されていましたが、幼少期から身につけていた喫茶の習慣で侍女に茶をいれさせて孤独な時間を紛らわせたようです。

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この英国における喫茶習慣とキャサリン妃の初期の影響は大きいでしょう。
茶や茶道具、ぜいたくな砂糖菓子を母国から持参していました。

キャサリン妃の後に現れた女王、亡命先から帰国した貴族たちも喫茶習慣の広がりに貢献しています。

亡命先、特にオランダやポルトガルでは、アジアへの積極的な進出もあってか、茶をはじめ、絹や綿製品、香料、日本からの銀や銅の貿易で繁栄していました。

1640年あたりから、オランダのハーグやアムステルダムで喫茶が流行り、上流階層の間では、もはやファッションとしての広がりをみせていました。

財力に余裕があれば、自宅に茶室を設けてお茶会を開いていたようです。

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ぜいたくなライフスタイルはそりゃあ憧れるよな~という感じです。
今でこそぜいたくな雰囲気はもちろん、優雅で華やかな連想も、この初期の喫茶文化・習慣がもたらしたものでしょう。

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