初級の紅茶検定対策として、基礎知識や入れ方、茶葉そのものや製造方法などを記事にしましたが、大きなくくりにはカテゴライズしにくいものの、対策として必要な情報をまとめます。
これまでの復習はこちらからどうぞ。
ティーバッグ

紅茶を入れるにあたり、今や一般家庭では当たり前となったティーバッグは、本場のイギリスでも日常的に利用されており、茶葉のタイプはCTCがほとんどを占めています。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)やOP(オレンジ・ペコー)といった形状でもティーバッグを用いていることもあるので、抽出時間はパッケージの説明をよく見て確認しましょう。
歴史
1896年に、イギリスでA・V・スミスという人物が考案したとされ、1杯分の茶葉を布で包んでおき、糸で縛ったティーボールと飛ばれたものが原形のようです。
改良が重ねられた結果、1908年にガーゼの小袋に茶葉を詰めたティーバッグが、アメリカの茶商のトーマス・サリバンという人物が売り出しました。
また、1930年にアメリカでろ紙が開発されるなど、ナイロンや不織布といった新しい素材が採用されていきました。
日本では、1961年にドイツから機械を導入して、ティーバッグの紅茶製造が始まったといわれています。

ティーバッグの始まりについては諸説ありますが、三角のテトラ型のティーバッグは、1980年代に日本が世界に先駆けて始めています。
紅茶のバイブル『ALL ABOUT TEA』
紅茶の聖典とあがめられている(?)本があります。
W・H・ユカーズ著『茶のすべて(ALL ABOUT TEA)』です。
名前の通り、茶のことについて書かれており、インドやセイロンなどの産地に実際に訪れたり、アメリカで資料を寄せ集めるなどしました。
ヨーロッパに茶が紹介された経緯や、産地や国による製造の違い、飲み方といった膨大な情報が詰め込まれています。
1700枚を超える挿絵や写真は今や貴重な資料になっており、上下二巻というとてつもない大作です。

ユカーズはジャーナリストで、『コーヒーのすべて』という本も書いています。
紅茶の日
日本紅茶協会によって、11月1日は紅茶の日として制定されています。
1782年頃、伊勢の国の船頭である大黒屋光太夫という人物がロシアに漂着し、帰国を願う為、1791年に当時の女帝エカテリーナ(エカチェリーナ)2世に拝謁しました。
その際に茶会に招かれて、日本人として初めて西洋式の紅茶を飲んだとされるのが11月1日だったということです。

最初に紅茶を飲んだ日本人であることより、江戸時代とはいえ、外国に漂流して9年という月日を経てようやく母国に帰って来られたことの方が驚きです(笑)
紅茶とお菓子
紅茶といえばアフタヌーンティー、アフタヌーンティーといえば豪華に盛り付けられたサンドウィッチやお菓子がイメージされると思います。
組合せ

紅茶と食べ物の組合せ、とくにお菓子との相性は非常に良いと言えます。
特に焼き菓子がよく合い、スコーン、ビスケット、タルト、パウンドケーキといったところが定番です。
しかし、もう少し細かく見れば、ケーキはケーキでも生クリームを使っているのか、カスタードクリームを使っているのか、果物を使っているのかで、紅茶との組み合わせも絶妙に異なったりします。
紅茶に含まれている成分でタンニンがありますが、このタンニンは食べ物の脂肪分や油成分を分解させる効果があります。
バターをたくさん使っているケーキや油分の多いお菓子には、適度な渋味のある紅茶のストレートティーで口の中をすっきりさせられます。

これを言ってしまえばそれまでなんですが、紅茶とお菓子の組合せは好みでもあるので、様々なもので試してみるのがいいでしょう。
定番ですが、ストレートティーとクロテッドクリームやジャムをたっぷりとつけたスコーンはかなりおすすめです。
マナー

マナーというと、上品さ、美しさといった印象がある反面、堅苦しさ、窮屈といった印象も否めませんが、今や誰でも紅茶を楽しめるようになっており、よほど特別なお茶会等でなければ、ごく普通のマナーとして実践できるはずです。
招かれた側として
もともとはイギリスで上流階級の人たちによって広まった紅茶文化ですが、大切なのは香りです。香水、化粧品、体臭など、匂いには注意しましょう。
実際に紅茶を飲む際の注意点としては、砂糖を入れるときはスプーンにのせて入れます。
音を立てず、スプーンでそのまま静かにかき混ぜ、あとはカップの向こう側(ソーサーの上)に置けばいいだけです。
立席であれば、紅茶を飲む際はソーサーごと手に持ち、カップだけ口につけるようにするのが良いとされます。

左手にソーサー、右手でカップの取っ手を掴んで飲む、といった感じでしょうか。
招く側として
ビクトリアンティーに基づけば、正しく紅茶を入れ、器やテーブルセッティングは豪華に、食べ物は多めにする、というのが基本のようです。
卓上でティーポットからカップに注ぎ、ティーコジーを被せて保温し、紅茶のお代わりに備えておき、お菓子の取り分けも用意しておくといいでしょう。
豪華に、といっても見栄を張るのも良くないですし、食べ物を多めに用意しても、見た目や味に問題が無いことが前提です(笑)
ティータイムといえど、アフタヌーンティー以外にも種類があり、マナーももっと細かいものがありますが、基本的なことをしっかりとおさえて、何よりも会話を楽しんでください。

あくまでも簡易的なマナーの概要です。
楽しみ方は各々あるので、工夫次第でバリエーションや楽しさの幅が広がるでしょう。
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