お茶と健康に関しては、様々な情報があると思います。
特に緑茶のカテキンには、殺菌作用がはたらくので、風邪予防にもなるということで、うがいを推奨されたこともあります。
では紅茶はどうなのでしょうか?
紅茶もお茶の一種ですが、緑茶と何か違いがあるのでしょうか。
1939年設立に設立された日本の紅茶団体である日本紅茶協会は、次のようなキャンペーンを行っています。
※日本紅茶協会のツイッター内容を埋め込んでいましたが、元ツイートが削除されたと思われる為、リンク切れの表示になっていたため、当記事からも削除しました。(2019年12月6日)
内容は、インフルエンザに紅茶がよいといったものでした。
まぁこれはハッキリ言って、非常に疑問があります(笑)
というのも、過去、私自身が毎日のように紅茶(ストレート)を飲んでいたにも関わらず、インフルエンザに感染してしまったからです(笑)
紅茶には様々な効果があるようですが、この記事では紅茶に含まれる成分や、その効果や効能について確認しておきましょう。
紅茶の成分について
そもそも健康とは何か
健康が何であるか、説明ができますか?
単純に答えるとすれば、病気やケガなど、心身に異常が無い状態であること、と言えるかもしれませんが、実は世界保健機構(WHO)でその定義があります。
肉体的・精神的ならびに、社会的に完全な良好な状態であって、単に疾病や虚弱ではないというだけではない限り、最高の健康標準を享受することは、人種・宗教・政治的信条、経済的状態の如何を問わず、全ての人間の基本的権利である

“肉体的・精神的”とあるように、物理的な面ではなく精神面にも健康は関わるものだという認識ですね。
茶の効能
お茶の成分でよく聞くのが、カテキン、カフェインではないでしょうか。
効果あるとされる作用は、以下のものがあるのだそうです。
カテキンの効果
風邪予防、抗インフルエンザ作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、食中毒予防、発がんプロモーション抑制作用、抗腫瘍作用、突然変異抑制作用、抗酸化作用、老化抑制、血中コレステロール抑制作用、血圧上昇抑制作用など
カフェインの効果
利尿(発汗)作用、覚醒作用、ストレス解消(疲労回復)、脂肪燃焼作用( ダイエット効果 )、強心作用、消化促進作用、腸整作用など

どれも嬉しい作用の名前が連なっていますが、紅茶を飲んだからと言って完全に、完璧に作用して関連した病気にならなかったり、治ったりといったことはないということをしっかりと認識しておきましょう。
あくまで、確認されている作用です。
茶ポリフェノール
茶ポリフェノールという多機能生理活性物質(種々の生体反応を制御する化学物質の総称)には、次の4つの主要なカテキン類があります。
1.エピガロカテキン・ガレート(EGCg)
2.エピガロカテキン(EGC)
3.エピカテキン・ガレート(ECg)
4.エピカテキン(EC)
生葉に含まれているカテキン類は緑茶に多く、紅茶特有の成分としてテアフラビン類、テアルビジンといった複合成分が多くなっています。
テアルビジンはポリフェノールの重合体(結合して鎖状や網状になることによってできた 化合物)です。

一部例外もあります。
ヌワラエリヤ(スリランカ)、ダージリン・ファースト・フラッシュ(インド)は水色が薄く発酵度の低い紅茶は、緑茶に近いのでカテキン類が主体となります。
紅茶ポリフェノール
発酵によって生成されるテアルビジンは、ポリフェノールの重合体ということで、紅茶のポリフェノールにある効果としては、次のようなものがあります。
脂肪の消化、吸収抑制作用、骨粗しょう症への予防効果、インフルエンザウイルスの不活性化とウイルスの予防、血糖値上昇抑制作用など

紅茶ポリフェノールをはじめ、多くの成分は構造が複雑なうえ、未解明なことが多いということも念頭に。
カフェイン
カテキンと並び、セットで出て来るのがカフェインではないでしょうか。
天然由来の有機化合物質の総称であるアルカロイドの一つがカフェインです。
水やアルコールに溶けにくいです。(クロロフォルムには溶ける)
カフェインというとコーヒーもイメージすると思いますが、抽出するまえの紅茶の茶葉とコーヒー豆では、乾物一定量として比べれば紅茶の方がカフェインが多いです。
しかし、カップ一杯の抽出液は、コーヒーの方がカフェインが多くなります。
そのカフェインは、眠気覚ましという覚醒作用を持っています。
コーヒーに比べ、紅茶では穏やかに作用しますが、多くの種類のアミノ酸の中のテアニンが影響しているとされています。

カフェインといえばコーヒーというイメージはあながち間違いではありませんが、抽出前の状態なら紅茶の方がカフェインが多く含まれているのはあまり知られていないのではないでしょうか。
“こころ”への影響
歴史を振り返れば、当初は薬的な立ち位置とした売り文句もあった紅茶なので、心身、とくに精神面での影響は少なからず影響はあるでしょう。
紅茶の本場であるイギリスも、”Tea for Health”といったキャンペーンを打っていて、1日に4カップほどを飲むのに加え、新鮮なフルーツや野菜もなるべく同時に摂るのが良いとも言われているようです。
紅茶には、香気成分としてバラ系のゲラニオール、レモン系のリナロールといったものがあり、精神的或いは情緒的な安定感を得られる最良の飲料、それが紅茶であり、日常におけるストレスを和らげたり、リラクゼーションの効果も期待できるとされています。

お茶の時間、つまりティータイムを設けるだけで、決して悪くは無い、何かしらの良い効果があるのではないかと思われます。
ティータイムは、リラックスタイムとも言えるのでは。
まとめ
紅茶を含め、お茶全般には多くの可能性があると思います。
含まれる成分や作用、効果には期待が持てます。
しかし、1日何杯飲めばいいとか、紅茶を飲んでおけば大丈夫というわけでもないので、様々な栄養バランスを考慮した食材や、日々の生活で心身をケアしていくことで、健やかな毎日が送れるのではないでしょうか。
ハーブティーにも同様のことがいえると思います。
更なる研究が進み、紅茶を楽しむということ自体がどれほど良い事かが立証されてほしいものです。
コメント