月イチ読書、今月6月に読んだのは『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』です。
短編集のような感じだったためか、今月はスラスラと読めました。
王様は裸だと言った子供はその後どうなったか
2007年に出版されていた文庫本で、映画監督・ドキュメンタリー作家の森達也氏の著書です。
日本の民話、ギリシャ神話、イソップ、グリム、アンデルセン、芥川龍之介といった作家たちの名作に触発されて書かれ、急速にムラ化しつつある現代社会に、男と女の深遠に、ふてぶてしく、無遠慮に切り込み、その特質と異常性そして切なさを浮き彫りにしていく、毒気たっぷりの風刺精神とユーモアセンスにあふれる、独創的な現代日本論とのことです。
感想
難しい内容ではなく、短編集としてサラッと読むのに適していますが、面白いかどうかと言われれば、月イチ読書の中では正直さほど・・・といった感じでしょうか(笑)
信条、思想、見解など、人によってバラバラであることは理解しているつもりですが、内容的にはツッコミどころが多々あるものの、ユーモア、ひねくれ具合といった要素があるものだと思えば、非常に安く読めます。
要は視点を変える、見方を変えるといった具合で、既存のストーリーに疑問を加えつつ、独自の想像で物語を足していくことで、現代社会と重ねたりもしている話がいくつか入っており、まぁそういう見方や疑問もあるよね、といった感じです。
よく言う空気を読む、場を読む、というのはまとまりを乱さないことや、マナーに通じる部分がありますが、著者はどうやらそういったことが苦手との自覚をしているようですが、この本を読むと実は計算したうえでの振る舞いなのかもと思ってしまいます。
どう感じるかは人それぞれですが、著者なりの社会風刺(インパクトは弱いですが)にもご興味があれば読んでみてください。

屁理屈も立派な理屈だと言わんばかりの主張じみた内容が見え隠れします。
2007年を13年も前と捉えるのか、たった13年前と捉えるのかで見解が変わるかもしれませんね。
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