高級な茶葉なら必ずしも美味しい紅茶が抽出できるというわけではない、という持論があるのですが、そこには共通して気にしておきたい点があるからです。
ストレートティーの基本の淹れ方
茶葉・熱湯の分量

一人分の紅茶の容量を目安に考察します。
ティースプーン山盛り2杯、お湯は350mlがそれぞれベースとされていて、一見一人分にしては多いように思われますが、本場英国の紅茶の楽しみ方として、香り→味と色→(調整した)味というものがあるからで、また、美味しさを抽出するために、十分に沸騰した湯量が350~400mlあたりはないとジャンピングが起こりにくくなってしまうのだそうです。
ジャンピング
ジャンピングとは、簡単に言えば茶葉が入ったティーポットの中に熱湯を注ぐと、茶葉が上下に浮き沈みしている運動のことですが、茶葉からはカフェインやカテキンといった成分をはじめ、香りや味、水色が効率よく出て美味しい紅茶になります。

これがかなり重要と言え、新鮮な水に空気(酸素)が含まれ、短時間で95~98度の熱が、ジャンピングを起こすベストな熱湯です。
また、ティーポットも湯通しして温めておき、冬場では沸かしたお湯をすぐに注げるように、隣に置いておく環境が最適です。
つまり、美味しさを十分に引き出せていない紅茶は、前述の条件を満たさない要因が関係していると言えます。
ジャンピングが起こらない場合、見落としがちなのが”ティーポットを温めておくこと“です。
或いは、沸かした熱湯をティーポットに注ぐまで少し時間を置いてしまうも挙げられます。
1、2分くらいは別にいいのでは?なんて思っていたら、とんでもない!
ティーポットが温まっていない、注ぐまで時間をついつい空けてしまう・・・気にしておきたい最も重要な事が見えてきます。
ミルクティー(ティーウィズミルク)の論争の共通点
紅茶の論争において、作家のジョージ・オーウェルは紅茶(ティーウィズミルク)を美味しく淹れるための11カ条を提言していますが、商社や協会も同様の提言をしています。
紅茶の淹れ方・提言
ジョージ・オーウェルはじめ、次々と提言していく中で、実はある共通点が見受けられます。
各提言を全て掲載するわけにはいかないので、主要な部分を抜き出します。
ジョージ・オーウェル:
水は沸騰したてのものをすぐに注ぐ
トワイニング社:
やかんに新しい水を入れて沸騰さる、ポットをあらかじめ温めておく
ジャクソン社:
湯は沸かしたてのものを使う、ポットは温めておく
英国王立科学協会:
ポットをあらかじめ温めておく、沸騰しているやかんまでポットを持って行き、勢いよく注ぐ
ファミリーエコノミスト:
トレーの上にポットを置く際は熱が逃げないよう羊毛マットを敷いて保温させる
つまり気にしておきたいこととは

というわけで、ここまで共通して認識できることがあると思います。
それは、沸騰や保温といった温度の重要性です。
ではなぜ温度がそれほど重要なのかと思いますが、科学的な根拠というか、性質が関わっています。
美味しい紅茶は、成分がバランスよく抽出されたものとします。
その成分がバランスよく抽出されるには温度が関係しています。
成分というのは、カテキンカフェインで、まさに紅茶の旨味の成分であり、香味の成分ですが、実はこれらは温度が90度以上でなければ抽出されません。
ということは、温度が常にキーポイントになります。
沸騰したお湯ができたとしても、ティーポットに入れる時間が少し空いてしまったり、すぐにティーポットに注いだとしてもポットが冷めていたり。
もちろん、温度だけが紅茶を美味しく淹れるために重要なことではないかもしれませんが、実は気にしなさ過ぎていて、気にしてもおきたい重要なポイントが、温度だと言いたいのです。
気にしているようであまり気を付けていないのが実は温度ではないかとで、特にこれからの寒い季節では少しだけこのポイントを気にしておいて、美味しい紅茶を飲みませんか?
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